このところ急激に知名度を上げつつあるChatGPTですが、ビジネスやマーケティングにおいて、実際にどのように活用されているのでしょう。
今回の記事では、話題のChatGPTの活用事例について実際の例を交えながら解説します。
この記事を読めば、どのような場面でChatGPTが実際に使用されているのか、どのような機能が何において役立っているのかを理解することができます。
今後、ビジネスやマーケティングの分野でChatGPTを有効活用したい方の参考になれば幸いです。
ChatGPTとは
ChatGPT(チャットジーピーティー)は、米国OpenAI社が公開した人工知能を搭載したチャットボットです。
人が入力した文章を理解できるため、専門的な会話を返したり、アイデアを提案してくれたり、さまざまな便利機能を持っています。
ほかにも、テキスト要約や多言語の翻訳など、幅広い分野で活用できる点で、多くの人から注目されているChatGPT。
ここでは、ChatGPTが何ができるのか、どのようにして使うのかについてわかりやすく解説します。
≫≫【2023年】OpenAIとは?高性能AI(人工知能)ChatGPTについて徹底解説!
ChatGPTの使い方
ChatGPTができること
ChatGPTが何ができるのかを解説しましょう。主に以下が、ChatGPTを使用することで可能になることの一覧です。
◾️|文章の作成
ブログ記事の作成、レポート作成、小説などさまざまな文章の作成を得意としています。
テーマや方向性などをあらかじめ与えることで、目的に近い文章を自動的にすばやく生成してくれます。
◾️|文章の要約・校正
文章の要約文の作成も行ってくれます。たとえば、ウェブ上にあるページやニュース記事から必要な情報を抽出し、要約した内容を文章に起こすことが可能です。
◾️|表やリストの作成
レポートや資料作成に欠かせない表やリストの作成も行えます。
表の場合、表見出しや列、行の要素や情報を与えることで、ChatGPTが自動的に表にまとめてくれます。また、リストについても形式や順序などの情報を指定すれば、それに沿った内容で作成可能。
◾️|プログラミングコードの生成
プログラミング言語に関しても理解しているため、作成したいプログラムや言語などの情報を与えることで、それに沿ったプログラミングコードを作り出すことができます。
プログラミングは専門的かつ高度な知識が必要となるため、ChatGPTにより自動化できれば人員の負担も軽減できると考えられます。
◾️|多言語の翻訳
言語の翻訳にも活用できます。日本語や英語、イタリア語、中国語など、あらゆる主要言語に対応しているため、幅広い用途で使用できるでしょう。英語で記載されたレポートやニュースを、一括で日本語に変換したいといった場面で役立ちます。
ただ、世界的に認知度の低い言語や使われる頻度が少ない言語など、まだ適応できない言語もあります。
◾️|データの解析や分析
顧客のデータを解析し、商品が売れている年齢層や時間帯、傾向などを分析できます。業界の動向やマーケティング分析は、企業を発展させていくために欠かせません。
しかし、膨大にあるデータを調べるには、手動で行う場合だと多くの時間と人員を要するでしょう。そうなった際に、ChatGPTにより自動で分析してくれるようになれば、企業にとっても大きなメリットとなります。
≫≫ Chat GPT(チャットGPT)とは?基礎知識から使い方まで徹底解説
ChatGPTの使い方
ChatGPTは、ブラウザから、またはAPIを使用すれば使うことができます。
ブラウザから使う場合は、Web上で提供されているAIチャット対話システムを使えば簡単に利用できます。複雑な設定や準備が必要ないため、まず試しに触れてみたい方におすすめできる方法です。
ChatGPTは基本的に無料で利用することができますが、無料プランの場合は利用可能な機能が制限されたり、利用用途に求める機能が不足していたりするケースもあります。
一方、APIを使う場合は企業などが使用するサービスやアプリケーションに対して、AI機能を統合して利用可能です。
ブラウザで利用する場合と比較して、カスタマイズ性も高く独自のシステムを作れるため、企業や組織の目的に合った使い方ができるのが特徴です。
ただし、APIを使う場合は専門性の高い高度な知識を要するため、ChatGPTの機能について詳しく把握している人員を確保しておく必要があるでしょう。
≫≫ ChatGPTの仕組みをわかりやすく解説!今後どうなる!?
ChatGPTを活用した広告施策での活用事例
ここまで、ChatGPTの概要や使い方を中心に解説しました。
では実際にどのようなシーンでChatGPTは使われているのでしょうか。ここからは、広告施策におけるChatGPTの活用事例を具体的に紹介していきます。
≫≫ ChatGPTのビジネス活用!企業の導入事例からアイデアを含めて10個紹介
メールマーケティングでのChatGPT活用
オンライン広告コピーの最適化におけるChatGPTの役割
ソーシャルメディア広告でのChatGPT活用
近年では、ChatGPTを活用して、SNSなどのソーシャルメディアでの広告施策や有益な情報発信に関わる作業を全て自動化する企業も増えています。
たとえば、株式会社100は自社Twitterアカウント運用にChatGPTを導入しています。
これにより、ツイート内容の自動作成が可能となり、SNS運用に必要とされていたリソース削減を実現させました。
ソーシャルメディア広告を発信する企業は多いですが、文章を考えたり、文章を読みやすく整えたりするのに時間が取られてしまう点を課題として抱える企業は少なくありません。
ですが、ChatGPTを上手く使えば、広告発信のために割いていた人員の負担を軽減できるのは確実です。
メールマーケティングでのChatGPT活用
ChatGPTのチャットボットに顧客からのフィードバックや購入履歴などを分析させることで、効果的なメールマーケティングを行うこともできます。
◾️|メール本文の自動作成
◾️|件名の自動作成
◾️|メール送信後の結果分析・解析
顧客に合わせた効果的なメールマーケティングが可能になり、事業のさらなる発展につながります。
活用事例としては、株式会社ベーシックが開発した「ferret One」のAIアシスタントシリーズがあげられます。
このサービスを利用すれば、メルマガの文面作成やタイトル案のサジェスト、文面の添削などに活用可能。
時間を短縮しつつ、開封率を高める「刺さるメルマガ」を作成することができる画期的なサービスです。
オンライン広告コピーの最適化におけるChatGPTの役割
ChatGPTは、レベルの高いキャッチコピーの作成にも活用できます。
サービスや商品の特徴や、伝えたいことなどの情報を与えることで、自動的に効果的なキャッチコピーを作成可能。
広告コピー文章の条件も詳細に設定できるため、アイデアや文章を考える時間の節約にもなります。
ログリー株式会社が運用する広告配信サービス「LOGLY lift」では、ChatGPTを搭載した広告自動生成ツールを導入しています。
ChatGPTを活用することにより、自社の目的に沿った広告コピーを自動で作れるようになり、顧客を惹きつけるレベルの高い広告コピー作成の自動化が実現しました。
ChatGPTを活用した自動化と効率化の活用事例
ChatGPTを適切に活用できれば、定例作業や、繰り返し行う作業などを自動化することも可能になります。
ここからは、自動化や業務効率化を目的とした、ChatGPTの活用事例を挙げていきましょう。
ワークフローの自動化におけるChatGPTの利用
ドキュメント作成やレポート生成の効率化にChatGPTを活かす
カスタマーサポートの自動応答にChatGPTを導入
ChatGPTは、カスタマーサポートの自動応答にも活用できます。
株式会社IVRyが提供している「IvRy(アイブリー)」は、電話での問い合わせに対して自動でAIが応答してくれるサービスとして高く評価され、導入を検討する企業が増えています。
この機能を駆使すれば、顧客からのチャットや電話でのお問い合わせに対して、ChatGPTの機能を活かし自動で迅速に回答することが可能になります。
また、安定した24時間サポートも可能となり、サポート品質の向上にもつなげられます。
ChatGPTでは専門的な会話にも対応できるため、知識や経験を持つ人員をカスタマーサポートのために確保しておかなくて良くなる点も、嬉しいポイントとなるでしょう。
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ワークフローの自動化におけるChatGPTの利用
ChatGPTは、ワークフローの改善にも役立ちます。
たとえば、日々の業務で行っているルーティーンワークや事務処理などの業務を完全に自動化してしまえば、担当者の負担を確実に減らすことができるでしょう。
活用事例として、Allganize Japan株式会社がリリースした企業向けの回答自動生成型検索サービスがあげられます。
同機能では、ChatGPTにいくつかの質問を行うだけで、業務マニュアルや社内規則など、企業で利用する膨大な社内ドキュメントの中から、自動的に目的の情報を検索し要約した内容を返答することが可能に。
そのため、資料作成にかかる時間や、情報検索にかかる時間を短縮し、人員の負担削減と業務効率の向上に役立ちます。
また、専門的な知識を求められるような作業や、人的ミスが許されない緻密な作業などを、完全に自動化してしまうことで、ケアレスミスの防止や作業スピードアップが見込める点もメリットと言えます。
ドキュメント作成やレポート生成の効率化にChatGPTを活かす
ChatGPTの文章自動生成機能は、業務で使用するドキュメントやレポートの作成に活用できます。
活用事例として、Orange Moon株式会社がリリースしている「AIサジェスト」機能があげられます。
AIサジェストは、同社が提供するマニュアル自動作成サービス「ManualForce」を通して作成されたドキュメントのタイトルや説明文を自動で生成してくれる機能です。
ChatGPTと連携することで、マニュアルなどのドキュメント作成にかかる工数の削減を促進する結果が期待できます。
ChatGPTを活用したコンテンツ制作の活用事例
ChatGPTはさまざまな形で活用が可能です。
ここからは、コンテンツ制作におけるChatGPTの活用事例をいくつか紹介します。
ソーシャルメディアコンテンツの自動生成にChatGPTを利用
ニュース記事やレポートの自動生成におけるChatGPTの活用
ブログ記事の執筆支援にChatGPTを活用
ChatGPTは、SEO記事のタイトルや見出し、本文作成の補助に活用することも可能です。
オンライン上にあるさまざまなデータを収集、要約し、求める情報や文章をスムーズに作成してくれます。
NOVEL株式会社が提供するAIライティングツール「SAKUBUN」は、高品質なブログ記事作成をアシストしてくれる機能を備えた画期的なツール。
テーマやキーワードを与えることで、それに沿ったブログタイトルや見出し、本文の作成までを補助してくれます。
また、テンプレートも用意されているため、記事作成に慣れていない方でも簡単に執筆作業を進められるようになります。
これにより、ブログ記事作成にかかる時間の短縮や、外注で記事作成を依頼するのに比べてコストを削減できるなどのメリットが生まれます。
ただし、ChatGPTが作成した文章には、正確でない情報が混在している可能性もあるため、個人ブログや企業ブログで発信する際には注意が必要です。
ChatGPTで作成した記事を発信する前に、書かれている内容が事実に基づいた情報であるか、他サイトを侵害した表現などがないか、などの確認を欠かさないようにしましょう。
ソーシャルメディアコンテンツの自動生成にChatGPTを利用
ChatGPTは、SNSを利用したフォロワーとのコミュニケーションを強化する手段としても活用できます。
エボラニ株式会社は、ChatGPTと自社情報を連携させた「anybot for ChatGPT」をリリースしました。
anybot for ChatGPTは、LINEなどのソーシャルメディアコンテンツ上で、顧客との問い合わせ対応や各種決済手続き、キャンペーン情報の告知などのやり取りを手軽に行えるチャットボットです。
顧客とのあらゆるやり取りを自動化することで、業務効率の改善や顧客満足度の向上が見込めます。
SNS運用は、適切に行えば新規顧客の獲得や、企業の知名度向上の実現が狙えます。
時間や労力を節約しつつ企業のパフォーマンスを上げるためにも、ChatGPTによるSNS運用の活用を検討してみると良いでしょう。
ニュース記事やレポートの自動生成におけるChatGPTの活用
ChatGPTを活用すれば、ニュース記事やレポート文章の自動生成も可能です。
論文やレポート、文章の要約などあらゆるフォーマットに対応しているため、さまざまな用途で利用ができます。
これにより、手動で文章を考える場合と比較して、時間を大幅に節約できるでしょう。
さらに、専門のライターやエディターを用意する必要がなくなるため、人員コストの削減もできます。
シェアモル株式会社が開発したライティングツール「Transcope」は、まさにニュースなどの情報からコンテンツ作成ができる機能をそなえているツールのひとつ。
企業や個人が導入し、効率的にコンテンツ作成ができる体制を整えるのに役立っています。
ChatGPTを活用したビジネス戦略上の活用事例
企業や組織を発展させていくためには、正しいビジネス戦略を策定する必要があります。
ここからは、ビジネス戦略の場面でChatGPTを活用している具体的な事例をいくつか紹介します。
ビジネスアナリティクスとしてのChatGPTの役割
投資判断やリスク評価にChatGPTを導入
マーケティング戦略の策定にChatGPTを活用
ChatGPTを活用すれば、顧客ニーズの把握も可能です。
顧客との問い合わせや対話を収集・分析することで、顧客がどのようなサービスを求めているのかを知るのに役立ちます。
顧客ニーズを把握し、正しいマーケティング戦略を策定することで、企業のサービス向上を狙えるでしょう。
実際に、スタートアップの「エイダ(Ada)」は、ChatGPTを活用し顧客サービスの向上を図ると正式に発表。
主に、航空券の予約やVR製品のオーダー処理にChatGPTを取り入れ、チャットボットの質をさらに高いものに変えていけるように動いています。
ビジネスアナリティクスとしてのChatGPTの役割
ChatGPTは、企業のデータ分析にも活用できます。
自然言語処理能力に長けたChatGPTは、大量のデータを分析、解析したりすることが可能です。
たとえば、顧客から受けたレビューや満足度数などをChatGPTに分析してもらうことで、より顧客が求めるニーズに合わせた効果的な施策や方針を見出すのに役立ちます。
≫≫【2023年最新】AIデータ分析ツールのおすすめ10選!機能比較と使い方を徹底解説
投資判断やリスク評価にChatGPTを導入
ChatGPTは、業界成績やマーケットシェアの動向などの情報の収集にも活用できます。
これらのデータを利用すれば、投資判断やリスクマネジメントに活かせます。
金融業界向けAIチャットボット「Finchat.io」は、対話感覚で750以上の企業データから算出した金融情報や業界動向から、投資家に向けた正確な回答を生成してくれます。
ただし、ChatGPTが出力したデータが全て正しいとは限らない点には注意が必要です。
大きな影響がある判断や決断をする際には、ChatGPTが生成した結果を全て鵜呑みにするのではなく、必ず人の目でも確認することが大切です。
ChatGPTを活用した教育やトレーニングの活用事例
ChatGPTは、教育やトレーニングの場でも活用できます。
ここでは、具体的な活用事例を3つ挙げ、それぞれについて解説します。
言語学習やスキルトレーニングにおけるChatGPTの効果
シミュレーションや仮想トレーニングでのChatGPTの利用
オンライン教育プラットフォームでのChatGPT活用
ChatGPTは、オンライン教育プラットフォームとしても活用できます。
具体的な事例として、株式会社みんがくが運営する「みんがく」の機能のひとつ、ChatGPT搭載の学習塾支援サービス「先生のBUKA」があげられます。
先生のBUKAでは、生徒からの質問や悩みに対して、AIが自動で提案や返信を行い、生徒のやる気を引き出します。
対話型AIとしての機能を備えるChatGPTでは、質問に対する回答やアイデアを迅速にレスポンスできる環境が用意できる点もメリットとなるでしょう。
これにより、回答を自動化でき、専門的な知識や技術を持つ方が毎回対応する必要がなくなります。
また、課題の添削や、生徒が抱える悩みや課題を分析し特定する、などの活用が可能となり、教育環境の発展に貢献します。
言語学習やスキルトレーニングにおけるChatGPTの効果
多言語に対応可能なChatGPTを活用すれば、言語学習やトレーニングの効果を高められます。
ChatGPTでは、英語などの言語学習に関するあらゆる機能を駆使することで、日常会話からビジネス会話まで、幅広いシチュエーションを想定した学習が可能です。
たとえば「英会話を勉強したいから、なにか話して」とChatGPTにチャットするだけで、自動で英文を生成してくれるため、言語スキル向上につなげることができるでしょう。
他にも、単語の意味を教えてもらったり、英文で記載された長文のサマリーを訳してもらったりと活用方法は多岐に渡るため、言語学習にうってつけです。
また、AIボットを利用して、英語でディベート形式の対話感覚で実践的な言語学習を手軽に行うことも可能。これにより、相手がいなくても質の高い言語学習が可能になった点もメリットと言えます。
シミュレーションや仮想トレーニングでのChatGPTの利用
たとえば、「今後10年間のうちに大きな地震が起こる可能性は?」のような、あらゆる事象を模擬的に予測してもらうこともChatGPTなら可能です。
このように、事実のデータに基づいた将来的な予想や予測を立ててくれることにより、その内容を教育の場で活かすことが可能になります。
また、ChatGPTに的確な指示さえできれば、科学分野での実験やプログラミング分野での開発工程など、専門的で難易度の高いシミュレーションも可能となるでしょう。
≫≫ 汎用人工知能(AGI)とは?開発されるまでの歴史から今後の未来を解説
まとめ
今回は、ChatGPTが世間でどのように使われているのかを中心に解説しました。
昨今では、多くの企業でビジネスやマーケティングなどでChatGPTが活用され、業務効率化やサービス品質の向上に一役買っています。
将来的には、ChatGPTが生活や仕事のあらゆる場面で重要な役割を担うようになり、私たちの生活や仕事においてますます身近な存在となることが予想されます。
これからChatGPTを使いたいとお考えの方は、ぜひ今回紹介した活用事例を参考にChatGPTを導入し、業務効率改善や作業者の負担の軽減にお役立てください。