【2024年版】AIソフトウェアのコストを徹底比較!人気AIツールの価格やプランを分かりやすく解説

【2023年版】AIソフトウェアのコストを徹底比較!人気AIツールの価格やプランを分かりやすく解説

AIの開発が注目を集めていますが、自社でAIソフトを構築する場合どの程度の開発費用がかかるのか相場感がわからない企業のご担当も多いのではないでしょうか?

一般的な開発プロジェクトであれば、知見を元に工数の算出ができますが、AIのスクラッチ開発の工数や費用の算出はさまざまな要因で変動するため難しいと言われています。そこで、AIを構築する際のコストを人件費やロボット自体の値段などに分解しながらご紹介します。

また、スクラッチ開発より、既存のAIソフトのAPIを利用し、構築を行うと導入時のコストを削減し、費用対効果をあげることが可能ですので、オススメのAIソフトもご紹介します。

AIソフトウェアで開発する費用相場

AIソフトウェアで開発する費用相場

AIソフトの開発は需要の増加に伴い、開発に係る価格競争が激化しています。

人工知能(AI)ソリューションの全体的な開発コストは、プロジェクトの規模や範囲を含む多くの要因に依存するため、プロジェクトのフェーズごとの費用の相場を知ることは、全体的な開発コストの見積もりを行う上で大切なポイントです。

本章では、各フェーズやAIの種別ごとの費用相場をご紹介します。

≫≫ AI(人口知能)とは?基礎概念から仕組みや種類まで徹底解説

開発時の人件費の内訳
種類別の開発価格相場

開発時の人件費の内訳

AIソフトを開発する際のプロジェクトは、一度にすべてを行うのではなく、段階的に開発します。

以下は、AIソフトを受託する企業が機械学習ベースのシステムを開発する際の工程と費用のイメージです。

工程 実施内容 費用イメージ
1. 要件整理 プロジェクトの目標や要件、このAlの実現可能性について調査と方向性の決定を実施。 50~100万円
2. プロトタイプ(試作機)の開発 潜在的ミスをなくし、MVPで失敗しないようにプロトタイプで試作機を開発します。 80~300万 +α
3. MVPの開発※1 MVPを作成することで、Al製品が本当に価値を提供できるのかどうかを確認します。 270~1,350万円/プロジェクト
もしくは、50~200万円/月
4. 製品のリリース 一連の開発を終了し、リリースできるだけの機能が揃うと、製品を提供開始します。
5. 製品の運用 製品リリース後の運用、メンテナンスも必要で、製品ごとにリリース後の運用費が変動します。 50~200万円/月

※1)Minimum Viable Productは、顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト

費用はどのようなAIソフトを開発するのか、どの程度の機能が必要なのかの工数によって費用が変動します。

種類別の開発価格相場

AIの機能、種類によっても開発コストが異なります。

例えば、画像認識AIの開発の場合には、1万〜5万ドル程度(日本円で135万〜670万円)で、音声分析AIは、基本の機能のみで36〜80千ドル程度(日本円で50〜100万円)程度です。

需要予測のソフトウェアは、ソリューションの複雑さによって16万〜35万ドル(日本円で215〜470万円)程度のレンジで価格が変動すると言われています。

AIソフトウェアで開発するフロー

AIソフトウェアで開発するフロー

AIソフトウェアの開発には、さまざまなフェーズがあり、ここでは大きく分けた4つのフェーズで実施すべきことと押さえておくべきポイントや課題となりがちな事項をご紹介します。

課題の明確化とコンセプト確立
PoC(Proof of Concept)検証
開発・実装
運用開始

課題の明確化とコンセプト確立

AI製品の構築は何を実現したいのか、コンセプトや課題を明確にすることから始まります。

また、以下のような前提条件、中間地点や最終目標の計測ポイントを明確にすることも重要です。

◾️|AIの学習データはどうするのか。
◾️|最終的なアウトプットは具体的にどのようなものか。
◾️|AIモデルの品質の測定をどうするのか。
◾️|どの程度の精度のAIを構築するのか。
◾️|ソリューションをどこで、どのように展開するか。

以下で実際の各フェーズのポイントをご紹介します。

PoC(Proof of Concept)検証

PoCは、アイデアやコンセプトの実現可能性について実証実験を行うフェーズで、AIモデルの効率とAIソリューションの成熟度を推定するためにPoCを行います。通常、完了までに約1〜2ヶ月かかります。

AIを導入しようとする企業の行うPoCの数は増え続けていますが、実際に製品化に成功したPoCの数は少なく、明白な結果を得られていないケースもあります。

AIのワークフローは技術的に難しく、専門的な人材が必要で、多くの企業が社内の専門人材の不足から開発をアウトソーシングし、AI開発市場では価格競争が起きています。

社内で開発するにしてもアウトソーシングで開発するにしても、重要なPoCの基本的な実施内容と理解しておくべきポイントを5つに絞り、以下にまとめました。

重要なポイント
PoCはさまざまな要素を含み、AIワークフローの中で最も計算量が多い
PoCプロジェクトはアプローチの変更が行われることがほとんど。技術者、ビジネスエキスパート、ユーザーなどの多様なメンバーでチームを構築することが必要
ハードウェア、データセキュリティ、トレーニング用の大量の新規データに関する一連の問題解決が必要
データサイエンティストがトレーニングデータを使用し、パラメータを管理を行う。繰り返しテストが必要
検証中はインフラ管理などのITの懸念に対処が必要。トレーニングデータに基づいた効率的にAIモデルが収束するパラメータを決定していくことが重要

また、PoCを実施する際には100%の精度を求めないことが必要です。

そのため、意思決定者がどの程度の精度であればPoCに納得できるのかを実施前に把握しておく必要があります。

開発・実装

サービスリリースに向けてP、PoCでプロジェクトの目標や要件、このAlの実現可能性が検証できたら、最終のリリースに向けた開発と実装のフェーズに移ります。

最終の開発フェーズでは、リリースに必要な最低限の機能の実装を行い、アジャイル(早い速度で、実装、テスト、開発を繰り返す)形式で開発を行うパターンが多く見られます。

最終フェーズでの実施事項とポイントには以下のようなことがあります。

実施事項 必須ポイントと課題
1. データセットの品質 AIには、データの品質と可用性が必要で、安全で信頼できるソースと適切な管理が重要です。
2. バイアスの課題解決 学習データ数の不足や偏っている場合、バイアスのかかった結果をもたらす可能性があります。信頼と透明性を担保したAIアルゴリズムの構築が必要です。
3. データ保存とセキュリティ 膨大なデータと多数のアクセスのあるAIは、データ漏えいのリスクが高くなります。そのため、セキュリティにも配慮した環境構築が必要です。
4. インフラ環境と能力 AIは、適切な能力を持つインフラサーバーとハードウェアが必要です。ハードウェア環境の刷新は、コストを含め課題になりがちです。
5. AIの統合とノウハウ システム連携や統合をする場合、豊富な経験やノウハウを持つ専門家やアドバイザーが必要。さまざまな環境や要素を熟考し、悪影響がないように対処する必要があります。
6. 計算処理能力 AIは、膨大なデータ処理のための計算能力が重要です。コンピューティングパワーの向上には、環境を整えるための資金が必要です。
7. 専門人材の確保と育成 AIの知識やスキルを持ったデータサイエンティストやデータエンジニアは希少です。人材確保や、育成することは非常に難しく、高額な費用がかかります。
8. 法的課題と倫理 AIサービスの開発や提供では、個人情報保護の観点や法律に抵触しないように配慮が必要です。誤ったアルゴリズムが実装されると、利益の損失に繋がる可能性がある。

上記のポイントや課題になりがちな事項を開発検討時から押さえておくことが重要です。

≫≫ AI開発環境の選び方とおすすめツール10選を徹底解説!

運用開始

AIサービスのリリース後は、製品のコンセプトにあった改良や改善活動とあわせて、AIの機械学習などのメンテナンスや定期的なバックアップ、基盤のインフラやハードウェアのメンテナンスなどの運用が続きます。

また、倫理や法令順守など社会情勢を鑑みながら、ポリシー対応や改善も必要です。

運用においても各専門人材を活用したメンテナンスが必要になるため、製品リリース後もランニングで人件費を含めたメンテナンス費用が生じます。

AIソフトウェアツール(GUI)

AIソフトウェアツール(GUI)

ここまで、自社やアウトソースを含めたスクラッチ開発を中心に解説しましたが、自社で一から開発する工数や費用を短縮する際に、AIソフトウェアツールのGUIを使う方法があります。

GUIは「Graphical User Interface」の略語で、 コンピュータへ出す命令や指示等をユーザーが画面上で視覚的に捉えて行動を指定できるもののことです。

Deep Analyzer
MatrixFlow
Neural Network Console

Deep Analyzer

Deep Analyzer

Deep Analyzerは、AIの開発・訓練・検証が手軽にできるディープラーニングのソフトウェアです。マウス操作だけで本格的なAI開発ができます。

グラフィカルな深層学習ソフトウェアです。基本機能にはデータセットの管理、モデルの作成・利用、ユーザー管理があります。データセットの形式は画像分類、画像生成、ペア画像生成、物体検出、音源分類、異常検知が可能です。

動作環境は株式会社UEIが提供しているDeepStationの環境上で稼働します。

価格はエントリーモデルが37.8万円〜、プロフェッショナルモデルが61.9万円〜、エンタープライズモデルが207.8万円〜で利用可能です。

詳細:Deep Analyzerの公式ページはこちら

MatrixFlow

MatrixFlow

MatrixFlowは、プログラミングすることなくAIを構築できるソフトウェアです。

機能は、データ分析、数値予測、自然言語処理、画像認識を行うことができます。例えば、売上の予測、店舗ニーズの予測、マーケティング分析などの売上の向上に繋げるビジネス分析から、社員の退職予測、故障品のチェックなどネガティブな要素の予測や管理に利用できます。

クラウドで提供されており、無料版や月額2,980〜円から利用可能です。

詳細:MatrixFlowの公式ページはこちら

Neural Network Console

Neural Network Console

Neural Network Consoleは、簡単に深層学習を利用できる開発支援ソフトウェアです。

ノンプログラミングでドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、ネットワーク構築の自動最適化など簡単に使えるツールです。機能は、画像分類、文書分類、時系列予測などが利用できます。

稼働環境は、クラウド版とWindowsのインストーラー版があり、クラウド版はβ版で現在提供され、無料で検証利用が可能です。

価格は、月額10,000円の基本料金とCPU/GPU利用料の従量課金で利用できます。

詳細:Neural Network Consoleの公式ページはこちら

まとめ

まとめ

AIアプリケーションの作成と実装にかかるコストは、プロジェクトの詳細に踏み込まないと推定できないことがほとんどです。

本記事で解説した開発工数や費用、押さえておくべきポイントをご覧いただき、初期の算出時のヒントにしていただけたら幸いです。

また、開発時にスクラッチ開発を選択するのか、既存のGUIを利用しソフトウェアを利用するのかによって、開発工数やそれに関わる人件費などのコストが大きく変動します。

各章でご紹介したポイントや検討事項を、開発検討時の参考にしてみてください。

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