最近注目度が増しているAI。AIつまり人工知能は、私たちの生活に想像以上の影響をもたらしています。
今回のテーマは、AIソリューションについて。
この記事を読むことで、下記について理解することができます。
AIソリューションとは何か
AIソリューションにはどのようなものがあるのか
AIソリューションの導入事例
AIソリューションがどのようなプラットフォームやサービスに活用されているのか、実際の事例を紹介しながら解説します。
ぜひ参考にしてください。
AIソリューションとは何か
まずは、AIソリューションという言葉の意味について解説しておきましょう。
AIソリューションとは「AIを活用して問題を解決すること」を意味しています。ソリューション(solution)は「問題を解決する」の意味を持つ英単語。
多くの場合、AIソリューションという言葉は「AIを活用して問題解決することを可能にしたシステム」を指します。
AIはIT分野に強く関わりを持つイメージがありますが、AIはIT業界と何ら関連のない人々の生活にも大きな影響を与えています。
近頃では、カスタマーサポートでお客様からの問い合わせに対応するAIなどが一般的になりつつあります。
この例を取ってもAIソリューションにより人件費削減の効果があることは容易に想像できます。
このように、AIソリューションの導入により解決できる問題は多く、多数の企業がAIの力にあやかり業務効率化や経費削減などを実現しています。
≫≫ Chat GPT(チャットGPT)とは?基礎知識から使い方まで徹底解説
AIソリューションの導入が進む社会的背景
なぜこれほどまでにAIソリューションの導入が進んだのか、その理由についても解説しましょう。
AIソリューションの導入が進む最大の理由は、少子高齢化による働き手不足と考えられます。
若い世代が減少し、企業が存続していくために必要な、スキルや知識を引き継ぐ人の数が減少している昨今。
AIを活用すれば業務の自動化が可能になり、必要となる人の数自体を減らすことが可能になります。
結果的に、労働力不足を解消できるだけでなく、企業は人件費を削減することができ、企業利益の増加につなげることができます。
少子高齢化が続く今の時代において、AIソリューションは決して無視できない救世主的存在でもあるというわけです。
≫≫ AI経済効果とは?今後のビジネスや産業に与える影響について
AIソリューションの種類
AIソリューションと一言で言っても、その種別は複数に分けられます。
ここでは、タイプ・機能別にAIソリューションを分類し、それぞれの種類ごとの特徴について解説します。
AIソリューションごとに実現できる事柄も異なります。
種類別の特徴について理解を深めておきましょう。
■|自然言語処理を利用したAIソリューション
■|コンピュータビジョンを利用したAIソリューション
機械学習を利用したAIソリューション
まず一つ目は、機械学習を利用したAIソリューションですが、ここで気になるのが「機械学習」という言葉。
機械学習とは、たくさんのデータをもとにコンピュータがアルゴリズムに基づいて情報分析する手法のことを指します。
機械学習は、入力されたデータに対して、これまでに学習したことの結果から答えを導き出す方法で、繰り返し使用されることでデータの精度が向上するのが特徴です。
機械学習を利用したAIソリューションが導入されているサービスとして代表的なものは以下の通り。
2. 冷凍機の故障予知
3. 工場設備の潜在的な故障リスク特定
これまでAIが学び積み重ねた既存のデータと異なるデータを見つけた際に「何らかの以上がある」とアラートすることができるため、機械の故障や潜在的な問題の早期発見に役立ちます。
≫≫ ディープラーニングと機械学習の違いとは?それぞれの特徴をわかりやすく解説
自然言語処理を利用したAIソリューション
次に紹介するのが、自然言語処理を利用したAIソリューションです。
自然言語処理とは、人が日常生活で使用する言葉(自然言語)をコンピュータ上で処理する技術のことを意味します。
一番わかりやすい例が、スマホやPCの予測変換。
途中まで文字を打つことで、その後に続く言葉を予測して提案してくれるお馴染みの機能ですね。この機能こそ、自然言語処理を利用したAIによるもの。
また、商品やサービスについて問い合わせる際に目にするチャットボットも同様です。
文脈解析もまた自然言語処理により行われます。
人ではなくコンピュータが顧客の問い合わせに対応することができるのは、自然言語処理を利用したAIソリューションが活用されているから。
自然言語処理を利用したAIソリューションが導入されているサービスとして代表的なものは以下の通り。
2. チャットボット
3. 機械翻訳
4. スマートスピーカー(Alexaなど)
比較的日常生活に関わりの強いものが多い印象ですね。
自然言語処理を利用したAIソリューションなしでは、もはや今の生活が成り立たないと言っても過言ではありません。
≫≫ 自然言語処理(NLP)とは?技術の基礎から活用事例まで徹底解説
コンピュータビジョンを利用したAIソリューション
最後は、コンピュータビジョンを利用したAIソリューションです。
コンピュータビジョンとは、いわばコンピュータに人の「目」のような機能を持たせることで、機械に「視覚」を与えるイメージです。
わかりやすい例が、顔認識機能。
毎日のようにスマホを顔に向けてロックを解除する方はきっと多いでしょう。
また、自動車の自動運転機能にもコンピュータビジョンが必須です。
人間と同じように「視覚」を持たせることで、オートパイロットが可能に。
車線変更や、前を走る車との距離感をつかみ減速・加速ができるようになりました。
コンピュータビジョンを利用したAIソリューションが導入されているサービスとして代表的なものは以下の通りです。
2. 自動運転
3. 無人レジシステム
4. AR(家具設置アプリなど)
コンピュータビジョンと言うとイメージしづらいものの、上記のサービスや機能についてはこれまでに何かしら耳にしたり使用したりしたことのあるものが多いのが特徴です。
AIソリューションおすすめ9選と導入事例
ここからは、AIソリューションを活用して作られたシステムやサービスの中で、特に注目度の高いものを9つ紹介します。
AIツールがどのような面で役立っているのか、ここでしっかりと理解を深めていきましょう。
それぞれに実際の活用事例も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
■|IoT(アイ・オー・ティ)
■|リアルタイム処理|エッジAI
■|チャットボット(Chat Bot)
■|音声アシスタント
■|機械翻訳サービス
■|感情認識・分析
■|AI顔認証システム
■|AI画像認識・解析システム
故障予知・異常検知
故障予知や異常検知に役立つのが、機械学習を利用したAIソリューション。
製造業において可能な限り避けたいのが生産ラインの停止です。
これまでは人の手で管理されていた機械ですが、近年ではAIツールを活用し、突発的な故障や異常を素早く検知することが可能となっています。
オムロン野洲工場では、半導体生産ラインの故障予知にAIツールが活用されています。
これまでは、人の手による定期診断やメンテナンスにより管理されていた機械を、AIツールに管理させることで、投資を抑えつつ突発的な故障を避けることに成功した事例です。
IoT(アイ・オー・ティ)
IoTもまた、機械学習を利用したAIソリューションの一つです。
身の回りのありとあらゆるものをインターネットで繋げることを意味するIoT。対象となるものには、カメラやセンサー、無線通信機器などの、情報を取得できる装置が必ず搭載されているのが特徴です。
IoTにより、離れた場所から機器を遠隔操作することが可能。スマホで外出先からエアコンの操作をするのもこれに該当します。
京都市営バスは、IoTを導入している事例として挙げられます。
携帯型のバスロケシステム「ポケット・バスロケ」は、個人のスマホなどのデバイスから市バスのロケーションをリアルタイムで閲覧できるシステム。
自宅にいながらにしてバスの遅れなどを事前に把握できるこのシステムもまた、AIソリューションの産物です。
リアルタイム処理|エッジAI
エッジAIも機械学習を利用したAIソリューションの一つです。
入力されたデータをもとに、人間が行うであろう推論や判断を行いデータを出力するのが、エッジAIのメインとなる機能。
エッジAIの最大の特徴は情報をリアルタイムで処理できる点です。これにより、高速処理が可能になり、今やエッジAIは様々なツールに活用されています。
例えば、北洋銀行の実店舗では、JVCケンウッドが株式会社ビズライト・テクノロジーと共同開発したエッジAIカメラが振り込め詐欺などの犯罪を未然に防ぐのに役立っています。
エッジAIカメラが銀行で順番待ちをする人の行動をとらえているのです。
特筆すべきは、エッジAIカメラが映像を保存せずにAIツールによる処理をおこなっている点。
これにより、プライバシーが遵守されているのがポイントです。
チャットボット(Chat Bot)
自然言語処理を利用したAIソリューションとして代表的なのがチャットボット。
まるで人間のように会話を続け、質問に回答するAIツールのことです。
チャットボットは主にカスタマーサポートとして活用されており、問い合わせに対する業務軽減に役立っています。
大手通販サービスのLOHACOでもチャットボットが活躍中。
その名も「マナミさん」で、まさに人間さながらの対応に消費者も驚くほどです。
問い合わせの約3分の1をチャットボットが対応しており、業務効率化とコスト削減に大きな効果をもたらしています。
≫≫ AIチャットボットとは?基礎知識から活用事例まで徹底解説
AIチャットボットのサービス数は年々増加し、大手の無料サービス比較サイトでは、40以上のサービスが掲載されています。 チャットボットを選ぶ際のポイントや気になる料金の比較をご紹介し、オススメの9つのサービスをご紹介します。 2023[…]
音声アシスタント
自然言語処理を利用したAIソリューションには、音声アシスタントもあります。
音声を認識し、リクエストや質問に対応するAIテクノロジーである音声アシスタント。
主にビジネスの場で活用されていますが、スマホで活用できるものもあります。
代表的な例がAmazonのAlexa(アレクサ)です。Amazonデバイスがなくとも、アプリをダウンロードするだけで、音声による様々な指示が可能になります。
これに似たものにAppleのSiri(シリ)がありますが、こちらも掛け声だけでアラームをセットしたりPodcastを再生したりと大活躍。
操作せずとも音声だけでいろいろな設定ができるとあって、多くの人々に愛用されているAIツールとなりました。
機械翻訳サービス
機械翻訳サービスも自然言語処理を利用したAIソリューションの一つ。
コンピュータを介して言語を処理し、多言語に変換、つまり翻訳するのはAIの仕事です。
機械翻訳の精度はどんどん上がっており、今や人が翻訳した文章と変わらないほど自然な文章に翻訳されるようになりました。
精度が高い機械翻訳サービスとして注目されているDeepL(ディープエル)はこれまで機械翻訳が苦手としてきた口語や方言にも対応しています。
おまけに無料で多くの機能を利用できるとあって、ビジネスを含む様々な場面で活用されています。
感情認識・分析
自然言語処理を利用したAIソリューションの一つに、AI感情認識・分析があります。
感情認識AIとは、人の感情や気持ちの昂りなどを感知するAIのこと。
センサーやカメラで、脈の変化や表情を検知し、その人の感情を認識します。
アメリカの企業Affectivaでは、感情認識AIツール「Affedex」を開発。
Affedexは世界各国で1,000万人ほどの人々の表情データを元に、感情を認識し分析するツールです。
表情筋に特定の動きが見られたときに、どのような感情を示すのかを判定することができます。
セットアップも容易に行うことができる上、ネット接続のない環境でも使用できるのが特徴です。
AI顔認証システム
コンピュータビジョンを利用したAIソリューションの例として挙げられるのが、AI顔認証システムです。
AI顔認証システムでは、スマホのロック解除やオフィスへの出入室など、幅広い分野で使用されています。
株式会社セキュアが運営する「SECURE AI STORE LAB(セキュアエーアイストアラボ)」は無人店舗を実現した事例として知られています。
顔認証により店舗へ入店し、手に取った商品は自動認識。
まさに完全に無人で店舗を管理することが可能となっています。
AI画像認識・解析システム
コンピュータビジョンを利用したAIソリューションに、AI画像認識・解析システムがあります。
画像解析とは、画像に映り込んでいるものの形や大きさをデータとして抽出し、その物体が何なのかを自動判別する機能です。
ネットワンパートナーズ株式会社では、AI画像認識・解析システムを活用し、コロナ対策「三密対策ソリューション」に役立てています。
商業施設などで密にならないよう、AIが混雑度を常に把握し一定数以上の来場者になり次第アラートで知らせるという画期的なシステム。
これにより、人の手でアナログに来場者をカウントする必要がなくなり、人件費削減に繋がっています。
≫≫ AIを活用した画像認識とは?仕組みから活用事例まで徹底解説
まとめ
今回のテーマはAIソリューション。
AIソリューションの種別や、どのようなケースで導入されているかがおわかりいただけたのではないでしょうか。
私たちの暮らしに大きな影響を与えるAI。
労働人口不足の問題を解消するためには、AIソリューションが必須となります。
この記事を読んでいただいたことで、これからもますます活躍の幅を広げることが予想されるAIについて、少しでも理解が深まれば幸いです。