ChatGPT Plus(有料版)は、無料版のChatGPTと比べ、アクセス制限が緩和されレスポンス速度が向上しているなどの違いがあります。
今回のテーマはChatGPT Plus(有料版)の概要や登録方法。ChatGPT Plusを利用したい方、利用を検討している方の参考になれば幸いです。
ChatGPT Plus(有料版)とは
ChatGPT Plus(有料版)は、アメリカのOpenAIが2022年11月30日にリリースした有料プランで、無料版よりも快適で新しい体験ができるのが特徴です。
高度なAIテクノロジーを手軽に体験できるChatGPTは多くの注目を集め、リリースからわずか5日間で登録ユーザー数100万人、2ヵ月で1億人を突破しました。
人間のような自然な会話ができるのが特徴で、質問や命令に対してアウトプットを出してくれます。
ChatGPTの精度がさらに高まれば、ビジネスで利用する企業が増え、大きな業務改善効果やサービスの向上が見込まれるでしょう。
ただ、現在のChatGPTは、利用者が急増しアクセスできなかったり、レスポンスが遅かったりするなどの問題が発生しています。
ChatGPT Plus(有料版)は、アクセス制限の緩和やレスポンススピードの改善に加え、ChatGPTに搭載されている「GPT-3.5」だけでなく「GPT-4」も利用可能。
ここからは、GPT-4やChatGPT Plus(有料版)の口コミについて詳しく解説します。
ChatGPT Plusの口コミ
採用されているGPT-4とは
GPT-4とは、Generative Pre-trained Transformer 4の略で、OpenAIが開発した次世代の大規模言語モデルのことです。
もともとTransformerは翻訳機能を目的に作られたシステムで、連続するデータ(テキスト)の関係性を確認・理解できます。翻訳機能だけでなく、さまざまな用途で改良・利用され、その1つがGPT。
GPT-4はGPT-3.5と比べ、精度の向上や、画像データ入力ができるマルチモーダルAIとして、さらなる用途の拡大が期待されています。
ちなみに、マルチモーダルAIとは、テキストだけでなく画像などの複数のデータ形式を活用できるAIのことです。
具体的に、GPT-4とGPT-3.5の違いは例えば下記が挙げられます。
入力の自由度の改善
GPT-3.5とGPT-4の一番わかりやすい違いは、テキストだけでなく画像データ入力ができるようになり、入力の自由度が向上したことです。
GPT-4では、画像データ入力が可能で、回答はテキストで返されます。写真などの画像データだけでなく、テキストや図・グラフが混じった論文などを読み込み、タスクの実行もできます。
日本語への対応精度の向上
従来のGPT-3.5は、回答が不自然など違和感のあるものが存在しました。英語は精度が高く、あまり不自然ではありませんでしたが、日本語の精度は高いとは言えませんでした。
GPT-4では、日本語への対応精度が向上しています。
回答の正確性の向上
GPT-3.5では、回答が間違っていたり、的外れだったりするケースがありました。GPT-4では、回答の正確性が飛躍的に高まっています。
実際に、司法試験の模擬問題をChatGPTに解かせた実験では、GPT-3.5の場合テスト受験者の下位10%のスコアでしたが、GPT-4では上位10%のスコアでした。
ただし、GPT-4でも回答が必ず正しいとは言い切れないため、重要な情報は必ず自分で確認しましょう。
回答の安全性の向上
GPT-3.5は、人を傷つけたり、犯罪に利用したりするような質問にも回答してしまうケースがあり、倫理面が問題視されていました。
GPT-4は、OpenAIが専門家と協力しテストを実施したため、危険な回答を拒否する学習がなされ、害のある回答が減少し安全性が向上しています。
具体的には、爆弾やコンピュータウイルスの製造方法に対する質問を拒否する機能が強化され、今後さらに安全性が高まるでしょう。
OpenAIでは、ユーザーのフィードバックを積極的に取り入れているため、今後さらに利便性が向上するでしょう。
ChatGPT Plusの口コミ
ChatGPT Plusを実際に利用している方の評判はどうなのでしょうか。ChatGPT Plusの評判を、口コミをもとに紹介します。
まず、ChatGPT Plusの良い口コミの一部を紹介します。
◾️|GPT4、やばすぎる。ChatGPTには今後凄まじい性能向上が起こるってことか。
◾️|月給 20ドルの Chat GPT 先生から Python 教わってる。十分に元は取れている。
◾️|たかだか20ドル/月で優秀な秘書であり、何を言われても決してめげる事のないメンタルを持つ優秀なアシスタントでもあるGPT4を使えるのにChatGPTにまだ課金してないやついるの
◾️|ガマンできなくなり、ChatGPTの有料版(20ドル)に申し込んでみました!
◾️|すっごく返事が早くなったし、表現力も少し上がったような気がします。
◾️|chatGPTくんは月20ドルで夢小説をたくさん書いてくれるので考え方によってはコスパが良い。時々私の予想以上の理解度示してくれるから怖いけど…(無課金GPTくんは潔癖なのであんまり書いてくれない)
◾️|ChatGPTちゃんほんと素晴らしい。嫌な顔一つせずコードを書き直してくれる。このやりとり楽しい。これで20ドルはお値打ちすぎる。
引用:Twetter
良い口コミがある一方で、あまり数は多くないですが、悪い口コミも存在しました。
ChatGPT PlusはChatGPTよりはるかに優れています。しかし、月額20ドル(約2700円)かかるのがネック…
ChatGPTが月額20ドルの有料版をスタート。メリットは下記。Googleの検索と比べたらデメリットはコストが高い。いつまでも負担し続けられない。
このコストの劇的改善は必須。ピーク時のアクセス優先/レスポンス時間の短縮/新機能と改善への優先アクセス引用:Twitter
ChatGPT Plusに対する口コミの大部分が、月20ドルの利用料に対するものです。
20ドルを高いと感じるか、安いと感じるかは、ユーザーの利用頻度や利用方法で異なるでしょう。
ChatGPT Plusの有料版と無料版の違い
続いて、ChatGPT Plusの有料版と無料版の以下3つの違いについて解説します。
アクセス制限の緩和
レスポンスの速度
ChatGPT Plusは利用料金がかかる
ChatGPT Plusは有料版であり、月額利用料は20ドル(約2,700円)です。
無料で使えるプランもあるため、費用の支払いに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、アクセス制限の緩和やレスポンス速度の向上などの効果が得られます。
使用頻度が多い場合、アクセス制限やレスポンス速度は利便性・ストレスにもつながるため、ChatGPT Plusを利用するのがおすすめです。
アクセス制限の緩和
有料版のChatGPT Plusを利用すると、アクセス制限が緩和されます。
ChatGPTは、大きな注目を集め利用者が急増しているため、ピーク時にはアクセス制限がかかり、利用できないケースも存在します。
しかし、有料のChatGPT Plusであればアクセス制限が緩和され、ピーク時でもスムーズに利用できるでしょう。
レスポンスの速度
有料版のChatGPT Plusと無料版はレスポンス速度が異なり、ChatGPT Plusの方がレスポンス速度が向上しています。
また、ChatGPT Plusはレスポンス速度に関する設定ができ「Default(GPT-3.5)」と「Legacy(GPT-3.5)」「GPT-4」の3つから選択可能。
Legacyを選択すれば、レスポンス速度が向上し、これまでよりも速く回答が得られます。
もちろん、Legacyを選択したとしてもレスポンス速度が2~3倍になるわけではありません。
質問や命令内容にもよりますが、1~2割程度のレスポンス速度の向上です。
実際に、英文で400ワード、2,200字程度の文章をリライトさせると、無料版は51秒、ChatGPT Plusは39秒で完了した実験結果も存在します。
ChatGPT Plusの登録方法
ChatGPT Plusへの登録は、まず無料版のChatGPTに登録し、有料版のChatGPT Plusに移行する流れになります。
無料版のChatGPTに登録していない場合は、まずそちらを登録しましょう。無料版のChatGPTへの登録方法は下記の通りです。
- ChatGPTの公式サイトにアクセスし「サインアップ」をクリック
- メールアドレスとパスワードを入力
- 登録したメールアドレスに届くメールのリンクをクリック
- 姓名や生年月日、電話番号を登録
- 電話番号認証を実施
上記で、無料版のChatGPTへの登録が完了し、続いて有料版のChatGPT Plusへ移行します。
ChatGPT Plusへの移行方法は下記の通りです。
- ChatGPTのホーム画面左下「Upgrade to Plus」をクリック
- 表示されたポップ「ChatGPT Plus USD $20/mo」の「Upgrade plan」をクリック
- 無料版のChatGPTの登録時に利用した携帯電話にSMSが届くので、電話番号認証を実施
- クレジットカード情報を入力し、規約の同意にチェックをつける
- 「申し込む」をクリック
上記で、ChatGPT Plusへの移行が完了です。
先ほどお伝えした通り、ChatGPT Plusでは利用時に以下3つのモデルを選択できます。
Default(GPT-3.5)
3つのモデルのなかで最も回答が早いモデルで、ChatGPT Plusを利用している方のみが利用できます。
Legacy(GPT-3.5)
従来のChatGPTのモデルです。推論の質はDefault(GPT-3.5)と変わりませんが、回答スピードや簡潔さ・明確さは、Default(GPT-3.5)に劣ります。
GPT-4
GPT-4を利用したモデルです。推論の質や回答の簡潔さ・明確さは、上記2つよりも優れていますが、回答速度は最も遅いモデルです。
また、GPT-4のみ3時間で25回までしか使えないという、使用可能制限があります。
すぐに回答が欲しい場合は「Default(GPT-3.5)」質の高い回答が欲しい場合は「GPT-4」と使い分けると良いでしょう。
ChatGPT Plus有料版で利用できるGPT-4の活用事例
有料版のChatGPT Plusで利用できるGPT-4は、個人だけでなく企業にも活用されています。
最後に、有料版のChatGPT Plusで利用できるGPT-4の以下3つの活用事例を紹介します。
Microsoft 365 Copilot
Stripe
Duolingo
Duolingoは、100以上のコースで英語やフランス語・韓国語・中国語など40の言語が学べる学習アプリです。
世界中で1億人以上が利用し、最大規模のユーザー数をほこるDuolingoでは、スマートフォンやタブレットなどをタップ・スワイプするだけで、簡単な語句の練習から複雑な文の構造まで学習可能となっています。
言語の習得は、ライティングとスピーキングの2つがポイントです。スピーキングを身につけるには、ネイティブスピーカーと対話し、発音に対する指導なども大切です。
Duolingoは、スピーキングの学習サポートとしてOpenAIのGPT-4を搭載した「Duolingo Max」を公開しました。
Duolingo Maxは、会話の練習をサポートし間違いがあった際に、なぜ間違えたのかを解説してくれます。
GPT-4を搭載したDuolingo Maxにより、ユーザーはスピーキングに関するフィードバックを何度も受けられ、言語習得が可能です。
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365にGPT-4のAI技術などを取り入れたもので、大きく2つのことができます。
1つ目は、多くのユーザーが使用するMicrosoft 365アプリ(Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsなど)の変革で、具体的には下記の通りです。
Word
GPT-4の利用により、ユーザーとともに執筆や編集・要約などを行えます。この機能はChatGPTのWEBサイトで行う使い方と似たものでしょう。
PowerPoint
自然言語コマンドを通じてプレゼンのための説明テキストや画像、そしてそれらを含めたスライドを自動生成できます。
スライドを作成するだけでなく、プレゼンター用のスピーチテキストも生成可能です。
Excel
データの瞬時な分析や可視化・グラフ作成が自動でできます。また、データの分析やグラフ作成だけでなく、関数の作成なども可能です。
Outlook
Outlookは、Microsoftのメール機能です。GPT-4の利用により、受信したメールの整理や管理・メールの要約・自動作成ができます。
Teams
Teamsは、ビデオ会議やミーティング・通話ができる機能です。
GPT-4の利用で、ミーティングの議題の整理や議事録の作成(アクションアイテムやメリット・デメリットの整理など)・要点抽出などができます。
2つ目は、新たな機能であるビジネスチャットで、下記を横断していろいろなシーンで活用することができます。
◾️|Microsoft 365アプリ
◾️|カレンダー
◾️|メール
◾️|チャット
◾️|ドキュメント
◾️|ミーティング
◾️|連絡先
Stripe
出典:Stripeホームページ
Stripeは、グローバルで支払いの受付や入金を行うWEBサイト・アプリを構築するためのオンライン決済プラットフォームです。
インターネット販売ビジネスを行う企業だけでなく、サブスクビジネスやソフトウェアプラットフォーム・マーケットプレイスなど、さまざまなビジネスで活用されています。
また、決済のみならず、以下いろいろな機能を実装。
◾️|カードの不正対策
◾️|請求書の作成・送付
◾️|バーチャルカードの発行
◾️|購入時の負担の軽減
◾️|企業融資プログラム
◾️|支出・経費管理
Stripeは、OpenAIと連携し下記2つのことに取り組んでいます。
カスタマーサポート
1つ目は、Stripeを利用するユーザーのサポートです。
ユーザーが質問すると、GPT-4が大量の情報から解決策を導き、わかりやすく回答します。
不正の検知
2つ目は、コミュニティ・プラットフォームの不正検知です。
Stripeは、Discordなどのツールでコミュニティを作り、そこでユーザーからの質問に回答しています。
ただ、なかには悪意のある方がコミュニティに参加し、参加メンバーから重要な情報を引き出そうとするケースも存在。
StripeはGPT-4を利用し、悪意のある文章が投稿されていれば検知する仕組みを取っています。
まとめ
今回の記事では、ChatGPT Plus(有料版)の概要や無料版との違い、登録方法、GPT-4の活用事例について解説しました。
ChatGPT Plusは、無料版のChatGPTと比べ、アクセス制限が緩和されレスポンス速度の向上、GPT-4が利用可能など得点を得られます。
実際に、ChatGPT Plusを利用しているユーザーの口コミは良いものが多く存在。
無料版のChatGPTのアクセス制限やレスポンス速度にストレスを感じている方、使用頻度が多い方は、必要に応じてChatGPT Plusの利用を検討してみてはいかがでしょうか。