ChatGPTは、大きな注目を集め、2ヵ月で登録者数1億人を突破したAI(人工知能)技術によるチャットボットです。
今回のテーマはChatGPTのインストール方法や正しく命令するコツ。ChatGPTを効果的に利用したい方の参考になれば幸いです。
ChatGPTの2つの利用方法
現在、ChatGPTを利用する方法は、以下の2つです。
ChatGPTのアプリ版
ここからは、上記2つの方法について詳しく解説します。
≫≫【2023年】OpenAIとは?高性能AI(人工知能)ChatGPTについて徹底解説!
≫≫ Chat GPT(チャットGPT)とは?基礎知識から使い方まで徹底解説
ChatGPTのWebサービス版
ChatGPTを開発したOpen AIの公式なChatGPIは、Webブラウザで利用できます。
利用に際して会員登録が必要ですが、登録自体は簡単で基本的に誰でも無料で使えます。
ただし、ChatGPTは注目度が高く、多くの方が利用しているため、アクセス制限がかかったりレスポンススピードが遅かったりするケースも。
もし、活用頻度が高くストレスを感じるようであれば、有料版のChatGPT Plusに登録することで、アクセス制限が緩和され、レスポンススピードが向上します。
Webサービスであるため、インターネット環境とスマートフォンやパソコンなどのタブレットがあれば、いつでもどこでも利用できます。
ChatGPTのアプリ版
前述の通り、Open AIの公式なChatGPIはWebブラウザで利用できるもののみであり、アプリ版はありません。
AppStoreやGoogle Play ストアで「ChatGPT」と検索すると「AIチャットボット」が複数表示されますが、Open AIの公式なChatGPTではないので、ご注意ください。
アプリはありませんが、ChatGPIはWebブラウザで利用可能であり、スマホでも問題なく使用可能です。
ChatGPTのインストール方法
続いて、ChatGPTのインストール方法や、APIを利用したアプリについて解説します。
ChatGPTのAPIを利用したアプリについて
Webサービス版はインストール不要
先ほどお伝えした通り、ChatGPTはWebブラウザで利用でき、インストールなどは必要ありません。
もし利用したい場合は、Open AI公式のChatGPTのホームページで登録を行い「お気に入り」などしておくと便利でおすすめ。
ちなみに、登録は簡単で手順は下記の通りです。
2. メールアドレスとパスワードを入力
3. 登録したメールアドレスに届くメールのリンクをクリック
4. 姓名や生年月日、電話番号を登録
5. 電話番号認証を実施
ChatGPTのAPIを利用したアプリについて
前述の通り、ChatGPTの公式のアプリは存在しません。
ただし、Open AIがGPT-3.5やGPT-4のAPIを公開しており、このAPIを利用し第三者がアプリを提供しているケースもあります。
ちなみに、APIとはApplication Programming Interfaceの略で、複雑なプログラムの処理を、簡単に第三者が再利用できるようにしたもの。
Open AI公式のホームページから利用するChatGPTは無料ですが、APIを利用するためにはコストが発生するため、第三者の提供するアプリの場合は使用するユーザーが利用料を支払うケースもあります。
≫≫ ChatGPT APIとは?利用方法とスプレッドシートでの実践を紹介
具体的なAPIの使用料は下記の通りです。
GPT-3.5 turbo
Prompt(指示):1,000トークン当たり0.002ドル
Completion(応答):1,000トークン当たり0.002ドル
GPT-4 8K context
Prompt(指示):1,000トークン当たり0.03ドル
Completion(応答):1,000トークン当たり0.06ドル
GPT-4 32K context
Prompt(指示):1,000トークン当たり0.06ドル
Completion(応答):1,000トークン当たり0.12ドル
ちなみに、トークンとは入力された文章を分割した結果のことを意味します。
日本語の場合、ひらがなが1トークン、漢字が2〜3トークンに該当します。
参考までに、1,000トークンはおおよそ600文字〜700文字程度です。
ChatGPTをインストール後正しく命令するコツ
ChatGPTを効果的に利用するためには、プロンプトが重要になります。
プロンプトとは、ChatGPTに入力する質問や命令文を指し、AIがタスクを実行するためのもととなる文章のことで、例えば下記が該当します。
# ChatGPTをPRするキャッチコピーを作成してください。
ChatGPTに使用されているAIは非常に優秀ですが、適切な質問・命令方法を意識しなければ、その能力を十分に発揮できない場合があります。
実際に、数学の問題を解くにあたり、プロンプトの冒頭に「Let’s think step by step(一歩ずつ考えよう)」と入れるだけで、正答率が17.7%から76.7%まで向上することが報告されています。
また、プロンプトにおいて「あなたは医者です」「あなたは弁護士です」など、専門家やキャラクター名を設定すると、回答の精度が上昇することもわかっています。
ここからは、ChatGPTをインストール後正しく命令するコツとも言える、下記3つのプロンプトについて詳しく解説します。
コンテキスト型のプロンプト
制約条件を与えたプロンプト
上記を上手く活用し、ChatGPTを効果的に使う参考にしてください。
質問や指示型のプロンプト
もっとも一般的なのが、質問や指示型のプロンプトです。
ユーザーが入力する質問や指示・命令にもとづき、ChatGPTが回答するプロンプトで、具体的には下記が挙げられます。
# 原油が高騰している理由は何ですか?
# ハンバーグの作り方を教えてください。
# 次の文章を日本語に翻訳してください。「All your dreams can come true if you have the courage to pursue them.」
他のプロンプト同様、基本的に「明確」で「簡潔」に行うことが重要です。
プロンプトが長すぎたり、専門的すぎたりすると、ChatGPTが認識できず、エラーが起こる原因になります。
冗長表現や不要な情報を避け、質問や命令は簡潔に行うようにしましょう。
また、正しい文法や言葉を心がけ、誤字脱字・略語・俗語などの使用を避けるのも大切です。
1回の回答で満足できなければ、さらに深堀りした質問や情報の入力をするのも効果的。ただし、何度も同じ質問をすると、ChatGPTがエラーとなり使えなくなる原因になりかねないため、質問の仕方や表現方法は都度変えましょう。
≫≫ ChatGPTが使えない!?エラー内容から対処法を徹底解説
コンテキスト型のプロンプト
コンテキストとは、文章の前後の脈絡や背景・状況などの情報のことで、プロンプトにコンテキストを盛り込めば、精度の高い回答が期待できます。
具体的には、キャラクターを指定し誰としてアウトプットをして欲しいか、誰に対してアウトプットをして欲しいのかを指定するなどが該当します。
また、時代背景や思想の根源などを指定するのも有効。例えば下記が該当します。
18世紀〜19世紀に活動したヨーロッパの有名な画家として、フィンセント・ファン・ゴッホやクロード・モネ、パブロ・ピカソが挙げられます。18世紀〜19世紀のヨーロッパで、後世に名を残す画家が生まれた理由や背景を説明してください。
制約条件を与えたプロンプト
制約条件を与えたプロンプトは、出力形式や品質などを指定したもので、ユーザーが求める形式の回答を得られやすい特徴があります。
例えば「50文字以内」や「箇条書きで」などの出力形式に対する条件や「上手に」「ロマンチックに」など品質を指定するのも有効です。
また「短編小説」「キャッチコピー」「詩」「ブログ記事」など、何に活用するかの条件を指定したり、キーワードや表現に関する禁止事項を指定するのも良いでしょう。
具体的には、下記が挙げられます。
# ChatGPTの使い方を、ブログ形式で1,000文字で紹介してください。
# 地方出身の若者が、東京に上京し成功するまでの、スリリングな小説を書いてください。
ChatGPTのバージョンについて
OpenAIが2022年11月30日に公開した際のChatGPTのバージョンはGPT-3.5でしたが、2023年3月14日にGPT-4の利用も発表されました。
ただし、GPT-4を利用するためには、月20ドルの支払いが必要な有料版であるChatGPT Plusの登録が必要です。
GPT-4は、GPT-3.5よりも優れた点があり、具体的には下記が挙げられます。
画像の読み取りが可能
GPT-3.5のプロンプトはテキストのみでしたが、GPT-4では画像の読み取りも可能になりました。
写真などの画像データの読み取りはもちろん、論文などのようなテキストと、画像・グラフなどが混合された文章の読み取りもできます。
回答の精度の向上
GPT-4はGPT-3.5と比べ、回答の精度が向上しています。
実際に、ChatGPTに司法試験を解かせた実験において、GPT-3.5は受験者のなかで下位10%のスコアでしたが、GPT-4は上位のスコアでした。
ChatGPTを利用するうえで、回答の正確性やリソースの根拠などが問題となるケースがあります。
GPT-4は、回答の正確性が向上しており、GPT-3.5よりも正確な情報が回答されます。ただし、すべてが正確とは言い切れないため、ご注意ください。
危険な質問や命令への対策
ChatGPTは、さまざまな質問や命令に回答するため、爆弾やパソコンウイルスの作成方法など、人を傷つけたり害をあたえたりするプロンプトが問題視されていました。
GPT-4では専門家の協力を得て、危険なプロンプトへの対策が行われ、危険な質問や命令への対策が実施されています。
長文や日本語の回答の精度の向上
GPT-4は、GPT-3.5の約8倍の長さのテキストの読み込み・生成に対応しています。
ChatGPTを開発したOpenAIは、GPT-3.5は3000語に対し、GPT-4は最大2万5000語を処理できるようになったと発表しています。
また、英語のテキストの処理や生成は精度が高いものでしたが、日本語の場合不自然なケースも見受けられました。GPT-4では、日本語に対する精度も向上しています。
さらに、2023年中にGPT-5がリリースされるという噂もあります。
金融ソフトのスタートアップ企業Runwayの創業者であるSiqi Chen氏のツイートによれば、2023年12月までにGPT-5の訓練が完了し、2023年第4四半期にリリース予定。
ただし、詳細や真偽のほどは明らかになっていません。
まとめ
今回の記事では、ChatGPTの利用方法やインストール手順、正しく命令するコツ、バージョンについて詳しく解説しました。
Open AI公式のChatGPTは、Webブラウザで利用でき、インストールは必要ありません。
また、Open AIではアプリは開発しておらず、AppStoreやGoogle Play ストアで検索した際に表示されるアプリは、第三者が提供しているものなので注意が必要。
Open AI公式のChatGPTをスマートフォンで利用する場合は「お気に入り登録」などしてすぐに使えるように工夫しておくのもおすすめです。
コツをつかめば効率的に活用しやすくなるのがChatGPT。何度も使いながら、癖や傾向をつかんでいくと良いでしょう。