AI開発は個人でもできる!人工知能の知識からスキルに合わせた作り方を解説

AI開発は個人でもできる!人工知能の知識からスキルに合わせた作り方を解説

昨今多くの注目を集めているAIは、多くの企業や研究所で大規模プロジェクトが発足され、研究されています。

AI開発と聞くと、多額の費用と最新の知識やスキルを集約し行うイメージがある方もいるかもしれませんが、個人でもできます。

今回のテーマはAI開発を個人でする方法

この記事を読むことで、以下の点について理解を深めることが可能です。

AI開発を個人で行うための前提知識

◾️|AI開発が個人でできるWebサービス・フリーソフト
◾️|Pythonを使ったAI開発方法

個人でAI開発を行いたい方の参考になれば幸いです。

AI開発を個人で行う前の前提知識

AI開発を個人で行う前の前提知識

複雑なAIになればなるほど、開発に高度な知識やスキルが必要になりますが、簡単なものであれば個人でも可能です。

ただし、最低限のITリテラシーは必要になりますので、初心者や未経験者などの場合は学習が必要です。

また、完全オリジナルのAI開発は、企業や研究所などが複数人のチームを組み、大規模なプロジェクトとして行うため個人で行うのは難しいでしょう。

個人でAI開発を行うのであれば、まずは簡単なものから挑戦するのがおすすめです。

ここからは、AI開発を個人で行うための前提知識となる、下記について詳しく解説します。

AIの仕組み
AI開発に使用するプログラミング言語
AI開発を行う方法

AIの仕組み

そもそもAIはArtificial Intelligenceの略で、日本語では人工知能といわれます。

人間の思考プロセスを再現するAIが行えるのは以下のプログラムです。

◾️|感知
◾️|理解
◾️|行動
◾️|学習 など

人間のように、経験や学習から学び指示や命令を実行できる仕組みはAIならではです。

AIの学習プロセスは、機械学習や深層学習(ディープラーニング)と呼ばれ、音声の認識、画像の特定、予測などを行うために非常に重要なプロセスです。

ちなみに、機械学習とはデータ分析手法の一つで、機械がデータから学習し、パターンやルールを発見する方法を指します。

大きくわけて学習と推論の2つのプロセスがあり、学習は機械がパターンやルールを発見すること、推論は学習した機械にデータを入力し、正確に学習がされているかを確認することです。

また、深層学習も機械学習の一つで、コンピューター上に人間の脳を再現した仕組みを使用し行います。

機械学習は以下3つがありそれぞれ特徴が異なります。

◾️|教師あり学習
◾️|教師なし学習
◾️|強化学習

AIの正確性には、機械学習の質が大きく影響するため非常に重要です。

≫≫ AI(人口知能)とは?基礎概念から仕組みや種類まで徹底解説

AI開発に使用するプログラミング言語

AI開発には、例えば以下のプログラミング言語が使われます。

◾️|Python

初心者でも学習がしやすく、少ないコード量でプログラムを組め、読みやすいのが特徴です。

また、他のプログラミング言語と比較し、ライブラリが豊富にあるためAI開発には欠かせません。

ちなみに、GoogleやFacebookの開発にもPythonが利用されています。

◾️|SQL

データベースを管理するソフトウェアの操作や制御に適しているプログラミング言語です。

AIの仕組みで解説した機械学習は大量のデータが必要ですが、そのまま使えるわけではなく前処理といわれる抽出や加工の作業が必要。

前処理はデータベースを利用し行いますが、データベースの知識も必要になります。

◾️|Ruby

アプリケーションソフトウェアを作成するためのプログラミング言語です。

Python同様コードがシンプルで書きやすく読みやすい特徴があり、初心者の方が学習するのにおすすめなプログラミング言語の一つです。

ちなみに、Rubyは日本人が開発したもので、日本で開発されたプログラミング言語ではじめて国際規格である国際電気標準会議(IEC)に認定されました。

上記のように、さまざまなプログラミング言語があります。

AI開発の主流はPythonであり、初心者でも取り組みやすい言語であるため、迷っている方はPythonから学習するのがおすすめです。

AI開発を行う方法

AI開発を行う方法には、APIやフレームワークを活用する方法と、Webサービスやフリーソフトを活用する方法の2つがあります。

APIやフレームワークを活用すれば、機械学習や深層学習を手軽にでき、具体的には下記フレームワークがあります。

◾️|Wit.ai
◾️|PyTorch
◾️|TensoeFlow など

ただし、ITリテラシーが必要になるため、Web開発やITエンジニアをしている方は良いですが、初心者にはあまり向きません。

Webサービスやフリーソフトには、初心者でも比較的活用しやすいツールが多くあります。

プログラミング知識やスキルが不要で機械学習ができるツールや、直感的に操作してAIを開発できるツールなどは初心者にも操作しやすいでしょう。

また、無料のツールもあるため個人でAI開発をしたい場合も気軽に利用できるでしょう。

≫≫ AI開発環境の選び方とおすすめツール10選を徹底解説!

AI開発が個人でできるWebサービス(初級)

AI開発が個人でできるWebサービス(初級)

前述の通り、AI開発にはWebサービスを活用する方法があり、使いやすいためおすすめです。

ここからは、初心者でもAI開発が個人でできる以下のWebサービスについて詳しく解説します。

アプリケーション開発:IBM Cloud
チャットボット開発:Hachidori
予測AI開発:Prediction One

アプリケーション開発:IBM Cloud

出典:IBMホームページ

IBM CloudはIBM社が提供するクラウドコンピューティングサービスで、アプリケーションの構築や管理、実行に利用できます。

個人から大企業まで利用でき、IBM Cloudで構築したソリューションはテスト済みでサポートされた信頼できる環境において、高速かつ確実に稼働します。

IBM Cloudは料金プランが複数あり、利用状況に応じてプランを選択できるため、無駄な費用をかけずに利用可能です。

また、無料プランも存在し、IBM Watson® APIを含め40以上のサービスを使えるのも嬉しいポイント。

まずは無料プランからはじめるのがおすすめです。

チャットボット開発:Hachidori

出典:Hachidoriホームページ

Hachidoriは、ノーコードでチャットボット開発ができるツールです。

7,000件を超える実績にもとづくシナリオ構築ノウハウを備え、誰でも簡単に開発ができます。

また、経験豊富な専任チームのサポートを受けられるサービスもあり、安心して利用できるでしょう。

LINE・LINE WORKSの認定パートナーで、LINEなどを利用した顧客獲得やリテンション、

人事や総務担当者の社内問い合わせの効率化・自動化が可能です。

≫≫ AIチャットボットとは?基礎知識から活用事例まで徹底解説

予測AI開発:Prediction One

出典:SONYホームページ

Prediction OneはSony社が提供する専門知識やスキルがなくても、たった数クリックで高度な予測分析を自動的に実行できるソフトウエアです。

誰でも操作できるような機能の実装や、ユーザーインターフェースのデザインを兼ね備えているため、初心者でも使いやすいでしょう。

また、予測に使うモデルの選択やデータの前処理をする機能を独自開発し、高い予測精度を実現しています。

操作環境は端末にインストールするデスクトップ版と、インターネットブラウザで動作するクラウド版の2つが存在。

自分の状況に応じて利用環境を選択でき、セキュリティ面が心配な方はデスクトップ版を使用すれば安心です。

AI開発が個人でできるフリーソフト(中級)

AI開発が個人でできるフリーソフト(中級)

続いて、個人でAI開発ができる以下のフリーソフトについて詳しく解説します。

Google Colaboratry
Azure Machine Learning Studio(classic)
IBM Watson

前章で解説したWebサービスと比べ多少利用の難易度が高い一方、使いこなせればさまざまな機能が活用できるため、参考にしてください。

Google Colaboratry

出典:Googleホームページ

Google Colaboratoryは、Google社が提供するAIアプリ開発・機械学習のための開発環境です。

通常、Pythonでの開発・実行を行う場合、Jupyterノートブックをインストールするなど開発環境を用意する必要があり、初心者にとっては難点です。

Google Colaboratoryを使用すれば、わざわざ環境を準備しなくてもGoogleアカウントがあればPythonを記述、実行可能。

機械学習や統計学などのフレームワークがはじめから用意されているのも嬉しいポイントです。

また、一定の条件を満たせばGPUやTPUを無料で利用できます。

機械学習には大量のデータを使うため、効率的な機械学習をするためには並列処理を高速でできるGPUやTPUを使用します。

Azure Machine Learning Studio(classic)

出典:Microsoftホームページ

zure Machine Learning Studio(classic)は、Microsoft社が提供し、以下ができるソフトです。

◾️|機械学習モデルのトレーニング
◾️|デプロイ
◾️|いろいろな処理と保存の自動化
◾️|分析結果を追跡
◾️|総合的な管理環境 など

ドラッグアンドドロップで直感的に操作できるインターフェースを採用し、データの読み込みから前処理、機械学習アルゴリズムの比較、実験まで行えます。

大量のデータを使用できるようにするための前処理には多くの手間がかかりますが、下記の方法を利用すると手間が減らせて簡単にできるでしょう。

◾️|フィルターでのデータ抽出
◾️|欠損値の削除
◾️|正規化
◾️|次元削減 など

WEB APIの発行によりExcelなどとも連携できるため、環境構築の手間をなくし、開発に注力できます。

IBM Watson

出典:IBMホームページ

IBM Watsonは、IBM社が提供する拡張知能で下記の機能を備えています。

音声認識

会話を認識し文字おこしや文字の音声化ができます。

日本語だけでなく、英語やフランス語などさまざまな言語に対応しており、さまざまなシーンで活用できるでしょう。

画像認識

機械学習により、被写体の抽出や認識ができます。

大量のデータをインプットさせておけば、特定の画像だけを抽出可能です。

≫≫ AIを活用した画像認識とは?仕組みから活用事例まで徹底解説

文書検索

Watson Discoveryと呼ばれる文書検索システムも存在し、HTMLやPDFといったデータ形式のコンテンツを検索できます。

また、検索だけでなく文章の取り込みやエンリッチ、クエリー機能なども備え、アイディア次第でさまざまな活用が可能でしょう。

性格分析

例えば、Twitterの投稿やメール文章などのテキストをもとに、パーソナリティー分析が可能。

協調性や外向性、誠実性などの個性にもとづき、行動分析までできます。

感情分析

テキストデータをもとに、性格だけでなく怒りや悲しみなどの感情分析もできます。

感情分析を使えば、相手の感情に応じた返信などが可能です。

上記機能を活用すれば、さまざまな目的に応じたAI開発ができるでしょう。

ちなみに、WatsonはIBMの創業者Thomas J. Watsonに由来しています。

Pythonを使ったAI開発方法(上級)

Pythonを使ったAI開発方法(上級)

冒頭でお伝えした通り、AI開発のプログラミング言語はさまざまあり中でもPythonが主流です。Pythonはいろいろなライブラリやフレームワークが存在し、開発に取り組みやすいでしょう。

ここからは、Pythonを使った以下のAI開発方法について詳しく解説します。

開発環境を整える
機械学習のライブラリをインストールする
フレームワークを活用する

開発環境を整える

Pythonを使ったAI開発の第1ステップは、開発環境を整えることです。

コンピューターでPythonを利用するには、開発環境を用意する必要があるためインストールします。

Pythonの開発環境をインストールする方法は複数あり、例えば以下が挙げられます。

◾️|Pythonの公式サイトからインストールする
◾️|Pythonをクラウドで使う
◾️|パッケージをインストールする など

おすすめはパッケージをインストールする方法で、PythonとPythonを使うためのライブラリがまとまったAnacondaを利用するのがおすすめです。

Anacondaは、WindowsやmacOS、LinuxなどおもなOSには対応しており、誰でも簡単にインストールできます。

具体的なインストール手順は以下の通りです。

1. Anacondaをインストールするためのページにアクセス
2.「Download」をクリック
3. 開発を行うコンピューターのOSに適したインストーラーを選択
4. ライセンスに同意し、最新バージョンをダウンロード

上記で開発環境の整備が完了です。

機械学習のライブラリをインストールする

Pythonを使ったAI開発の第2ステップは、機械学習のライブラリをインストールすることです。

ライブラリには、機械学習の方法が実装されており、利用すれば誰でも手軽に機械学習が行えます。

ライブラリと一言でいっても、さまざまなものが存在し具体的には以下が挙げられます。

≫≫ ディープラーニングと機械学習の違いとは?それぞれの特徴をわかりやすく解説

scikit-learn(サイキットラーン)

個人法人問わず、誰でも無料で自由に利用できるオープンソースプロジェクトのライブラリです。

教師あり学習、教師なし学習に関するアルゴリズムが用意されており、またサンプルデータもそろっているため使いやすいでしょう。

また、ユーザーコミュニティが活発で開発・改良がされており、ソースコードの確認も可能です。

Windowsを活用する場合はPowerShell、Mac OSを活用する場合はターミナルで、以下のpipコマンドを入力すればインストールできます。

$ pip install scikit-learn

NumPy

Numerical Pythonの略で、Pythonの通知計算をスピーディー・効率的に行うライブラリです。

とくに、多次元配列を操作するための機能や豊富な数値計算用の関数を活用可能で、科学技術計算・データ分析などを行う際に有効でしょう。

以下のpipコマンドを入力すればインストールできます。

$ pip install numpy

フレームワークを活用する

Pythonを使ったAI開発の第3ステップは、フレームワークを活用することです。

フレームワークとは、汎用性の高い複数のプログラムを一つにまとめたもののことであり、活用すれば作業効率の向上や、ミスの防止、コードの統一性保持などのメリットがあります。

オープンソフトウェアとして提供されており、機械学習や深層学習ができるものも存在。

フレームワークを活用し、AIの開発を行います。

まとめ

Pythonを使ったAI開発方法(上級)

本記事では、AI開発を個人で行うための前提知識、AI開発が個人でできるWebサービス・フリーソフト、Pythonを使ったAI開発方法について詳しく解説しました。

簡易なAIの開発は、最低限のITリテラシーがあれば個人でもできます。

最近は、高度な知識やスキルがなくても直感的に操作し、AI開発ができるWebサービス・フリーソフトも多数存在します。

AI開発をする際のプログラミング言語は、Pythonが主流であるためPythonの学習をしてみるのはいかがでしょうか。

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