近年ChatGPTを初めとするAI技術が発展し、多くの企業で採用されるようになりました。主な利用目的はチャットボットや文章生成、ソースコードの修正や情報収集で、業務効率化を目指す企業が利用しています。
ChatGPTに入力した内容はAIの学習に利用されるため、サービスをそのまま使用した場合、情報漏洩などのセキュリティ問題が発生します。
そんな問題を解決するために用意されたのが「法人プラン」です。本記事では、法人プランの種類や料金の比較、業務効率化を図る方法について詳しく解説します。
ChatGPTの法人プランの種類
ChatGPTの法人プランには「ChatGPT Enterprise」と「ChatGPT Team」の2種類が存在します。これら2つのプランの主な特徴は次のとおりです。
次の章では、2つのプランについて詳細に解説します。
サービス名 | 特徴 |
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ChatGPT Enterprise | ・安定性が高い ・応答速度が早い ・マスターアカウントでメンバーの一括管理ができる ・利用にはOpenAIからの承認が必要 |
ChatGPT Team | ・カスタムGPTを作成しチーム内で共有可能 ・チーム専用の共同ワークスペースがある ・新機能に早期アクセスできる ・OpenAIからの承認の必要がない |
ChatGPT Enterprise
ChatGPT Enterpriseは、主に企業向けに開発されたサービスで次のような特徴があります。
ChatGPT Enterpriseの特徴 |
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まず、当プランは非常に安定性に優れており、無料のChatGPTを使った場合に比べてレスポンス内容が常に一定になるといった特徴があります。
また、ChatGPT EnterpriseではGPTー4の利用が無制限となるため、通常の応答速度の倍までの速さを無制限で利用できます。文章の生成も4倍の早さで出力が可能など、業務の効率化を目指す上では欠かせない言語モデルを採用しているのも特徴の1つです。
これらの機能は業務利用されることが想定されているので管理システムも完備されており、企業が導入した場合でも管理が容易になります。
しかし、OpenAIからの承認が必要といったデメリットも存在しており、許可を受けない限り当プランは使用不可になります。
ChatGPT Team
ChatGPT TeamプランはEnterpriseと比べて小規模のチームを想定して開発されており、2人以上のチームでの利用が一般的です。また、OpenAI社からの承認の必要もなく使用可能となるため、スムーズな導入が可能になります。
ChatGPT Teamプランの特徴は次の4つです。
ChatGPT Teamの特徴 |
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チームでの活用に特化した機能がメインで追加されています。共同ワークスペースではChatGPTをチーム内でカスタマイズ後、共通のワークスペースで利用可能になるため、生産性の向上に大きく貢献してくれます。
他にも、新機能にいち早くアクセスできるといったメリットは、他競合との差別化を図る上では重要な要素でもあり、当プランもGPT-4へのアクセスが可能です。
≫≫ 法人向けChatGPサービス5選!法人で利用する方法から選び方まで徹底解説
ChatGPT Enterpriseの料金
ChatGPT Enterpriseの料金の確認には運営チームへのお問い合わせが必要で、企業の規模によって価格が変動します。
本章ではChatGPT Enterpriseと他のプランの機能の違いを比較していきます。セキュリティや採用している言語モデルなどに違いがあるため、しっかり確認し、プランの検討を適切にできるようにしましょう。
ChatGPT Enterpriseの利用方法
ChatGPT EnterpriseとChatGPT Plusとの違い
まず、ChatGPT EnterpriseとChatGPT Plusの比較を行います。
プラン | 無料版 | ChatGPT Plus(有料版) | ChatGPT Enterprise |
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 20ドル/月 | お問い合わせ |
言語モデル | GPT-3.5 | GPT-3.5(無制限) GPT-4(50回/3時間) |
GPT-4(無制限) |
セキュリティ | 情報漏洩リスクあり | 情報漏洩リスクあり | 企業利用レベルのセキュリティ |
管理ツール | なし | なし | マスターアカウントあり |
業務利用が目的の場合、機能面においてChatGPT Enterpriseの方が優れています。ChatGPTの利用ではセキュリティ問題が大きく関わってきます。他のプランでは入力した内容がAIの学習に利用されることが前提になっているため、企業での活用は困難です。
しかし、ChatGPT EnterpriseはAIの学習に利用されないので、セキュリティ問題について気にすることなく利用することができます。
GPT-4の利用に制限があるとは言えども、ChatGPT Plusはフリーランスなど個人が使用する分にはコストパフォーマンスに優れています。企業レベルで活用される言語モデルが個人で扱えるのは大きなアドバンテージとなるでしょう。
しかし、企業レベルのセキュリティは望めないため、情報漏洩のリスクが前提となりますのでご注意ください。
≫≫ ChatGPT有料版「ChatGPT Plus」がリリース!無料版との違いと利用料金を解説
ChatGPT Enterpriseの利用方法
本章では、ChatGPT Enterpriseの利用方法について解説します。実際にChatGPT Enterpriseを導入したいと思った際の対応方法を具体的にしていきます。
上記で述べた通り、金額に関する情報は運営チームへの直接のお問い合わせが必要です。今回は金額がわかった上で、利用したい方がやるべき行動を説明します。
2.「Contact sales」をクリック
3. 必須事項を入力
4.「Submit」で入力内容を送信する
5. 登録したメールアドレス宛てに届くメールを確認
これで申請は完了です。
ChatGPT Teamの料金
ChatGPT Teamの利用料金は公式に開示されており、法人やチームが活用する際には非常に分かりやすく導入しやすい形になっています。
本章では、ChatGPT Teamと他全てのプランの料金や特徴の比較を行っていきます。
ChatGPT Teamの利用方法
ChatGPT Teamと他のプランとの違い
プラン | 無料版 | ChatGPT Plus | ChatGPT Enterprise | ChatGPT Team |
---|---|---|---|---|
価格 | 無料 | 20ドル/月 | お問い合わせ | 25ドル/月(月払いの場合は30ドル) |
言語モデル | GPT-3.5 | GPT-3.5(無制限) GPT-4(50回/3時間) |
GPT-4(無制限) | GPT-4(100回/3時間) |
セキュリティ | 情報漏洩リスクあり | 情報漏洩リスクあり | 企業利用レベルのセキュリティ | 企業利用レベルのセキュリティ |
管理ツール | なし | なし | マスターアカウントあり | 管理コンソールあり |
まず、ChatGPT Teamの最大の特徴でもあるチームを想定した管理コンソールは、小規模の組織やチームにとって使い勝手が良く組織を管理する上では必須の機能です。「100回/3時間」といった制限があるとは言えども、チーム一人に対しての制限のため、問題なく使用可能です。
ChatGPT TeamはChatGPT Enterpriseとは違って公式で価格開示されており、OpenAI社の承認を必要としません。よって、試験的に一度導入することも可能です。
ChatGPT Teamの利用方法
それでは実際にChatGPT Teamを利用する流れを解説します。
2.「今すぐ始めましょう」をクリック
3.「Upgrade to Team」をクリック
4. 任意のチーム名や組織名を入力
5. お支払プランと利用人数を「Seats」に入力します。
6.「Continue to billing」をクリック
7. お支払方法を入力
利用人数によって価格は変動します。間違いのないように確認して入力しましょう。お支払いの確認後には即座に利用が可能です。
ChatGPTの法人利用で業務効率化する利用方法
ここまでそれぞれのプランの違いや料金の比較、導入方法などについて解説してきました。
本章ではChatGPTを活用した業務効率化の方法を解説していきます。具体的には次のような業務の効率化が可能です。AIでの自動化はこういった仕事の業務負担を大幅に軽減することができます。詳しく解説していきます。
ChatGPT Teamで調査・分析を実施
ChatGPT Enterpriseでルーティンワークを効率化
ChatGPT Enterpriseを使った業務効率化の例は次の通りです。
ChatGPT Enterpriseを使った業務効率化例 |
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まず、ルーティンワークとは「面倒な作業」として扱われていたメール作成や文章の要約、データ入力といった作業をChatGPTに任せる事で効率化を図る方法です。
また、ChatGPTにはデータ分析に適したプラグイン「Code Interpreter」といったものが存在し、利用することで今まで扱いが難しかったデータもわかりやすい表やグラフに変換することができます。視覚的に分かりやすい形になるので、データから業務改善も望めます。
ChatGPTはコンテンツ制作の分野にも活かす事が可能で、記事の執筆やSNSの投稿作成などの生成が可能です。ただし、人間が作るものと比べると劣っているため、現時点では一部での使用になるでしょう。
ChatGPTを使えば顧客の対応までもが可能になります。「Zapier」といったプラグインを使用する事で、お問い合わせの自動返信を行ってくれます。顧客対応に時間の多くを使っているという企業の方は導入を検討しても良いでしょう。
ChatGPT Teamで調査・分析を実施
ChatGPTでの業務効率化の例は他にもあります。ChatGPT Team を使った調査・分析についてさらに詳しく見ていきましょう。
次のような手順を用いる事で、AIでの分析がより実用的になります。
ChatGPT Teamで調査・分析を実施例 |
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ChatGPTを利用すれば、活用しきれていなかった大量のデータも活かせるようになるだけでなく、今までの着眼点では見つける事のできなかった問題を洗い出す事も可能になります。
使い方次第で有用性の幅が大きく広がるのがAIです。もしご自身の会社で扱いきれていないデータがあるのであれば、試してみましょう。
≫≫【2023年最新】AIデータ分析ツールのおすすめ10選!機能比較と使い方を徹底解説
ChatGPTの法人プラン料金まとめ
今回の記事は、それぞれのプランの特徴や料金の比較、業務効率化の方法について解説してきました。
ChatGPTの法人プランを活用すれば、ルーティンワークやデータ分析から、コンテンツ制作、顧客対応といったすべての業務を効率化できます。
本記事を参考に自社で法人プランを導入し、業務効率化を目指しましょう。